岩 崎 元 郎 の


 

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朝日岳と蓮華温泉

 朝日岳という山は数多い。旭岳や朝日山も含めると、30近くある。ここで紹介する朝日岳は、北アルプス北部。白馬岳から北に伸びる主稜線上、雪倉岳に続く標高2,418・3m、花の名山としても知られている。

 

 頂きに至るコースは4つ。まず第1は白馬岳から北上するコース。第2は反対側、海抜ゼロmの親不知か南下、長栂山を越え、朝日岳をめざすもの。小野健さんを代表とする「さわがに山岳会」が、日本海から長栂山までのコースを拓いた。栂海新道である。第3は西側、北又からひたすら登るイブリ尾根。第4が東側、蓮華温泉から登る五輪尾根である。

 

 初めての朝日岳は、親不知から栂海新道を登った。何気なく買って読んだ『山賊野郎の青春』という本で栂海新道を知ったのである。この本は、新道開拓の顛末を書いた小野さんの本だった。M学院大学山岳部の現役学生だったR君を誘って、二人で歩いた。

 

 ヘビがたくさん出ると書いてある。「わあっ」、ぼくの悲鳴。登り始めてすぐヘビが出た。「きゃっ」、また出た。わあっ、きゃっ、げえっ、いずれもぼくの悲鳴である。そのうちぼくは悲鳴を上げなくなった。次から次へとヘビが出てくるので、反応しきれなくなったのだ。

 

 熊も出る、と書かれている。登り始めてしばらくすると、右側後方の薮の中から、バキバキという音が聞こえてくる。とっさにぼくは、熊だと思った。「う・う・う・歌を歌おう」とぼく。口がこわばって、なかなか歌が出てこない。しばらくして、ぼくの口から出てきたのは、「娘さん良く聞けよ」という「山男の歌」であった。再三書いているが、以来この歌を聞くと、煙ったい気分になる。

 

 白馬岳から朝日岳は、2回縦走した。1回目は、遠足倶楽部のメンバーがまだ若かりし頃、と言っても50代60代、平均年齢が50代後半といったところ。大雪渓を登って白馬岳に立ち、雪倉岳を越えて朝日岳に立った。この日は朝日小屋泊り。翌日朝日岳に登り返して、栂海新道を日本海の親不知まで縦走した。

 

 2回目は、少し年とった分、日本海はめざさずイブリ尾根を下った。

 

 別のとき8月中旬だったかな、イブリ尾根を登って朝日小屋に泊まり、朝日岳から白馬岳へと縦走、祖母谷温泉に下山した。これもまた歩き甲斐あるコースであった。朝日岳は良く登っている山の一つ、魅力ある山である。朝日小屋を管理する、清水ゆかりさんの魅力に負うところも大きい。

 

 そして、五輪尾根。このコースも魅力的なコースで、長大である。参考にしたガイドブックのアドバイスに従って、蓮華温泉に前泊した。

 

 ここの温泉がいい。メインの大浴場も広くて明るくて、ゆったりのんびり、いつまでも入っていたい気分にさせてくれるが、蓮華温泉の魅力は、なんてたって野天風呂だ。超一流温泉ホテルの露天風呂だって、敵いやしない。いつか、登山のついでではなく、蓮華温泉だけを目的に訪れて、あの野天風呂にゆったり手足を伸ばしたいと思っている。

 

                                                         2011.11.15 記




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