岩 崎 元 郎 の


 

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由布岳と湯布院温泉

 由布岳は由布院温泉の北東側に位置して、由布院温泉を見守るように聳えている。由布岳と由布院温泉は、切っても切れないカップルみたいなものだ。山好き、温泉好きにとって、これほど魅力的なカップルはない。

 由布岳は双耳峰で、西峰に一等三角点があって1,583.3m、東峰は少し低い。端正な山容で豊後富士とも呼ばれる鐘状火山、下山して入る由布院温泉の露天風呂から見上げる由布岳の存在感は素晴らしく、日本百名山に選ばれていないのが不思議なくらいだ。深田久弥さんもちょっと気にしていらっしゃるようで、『日本百名山』の後記に「九州は六座選んだが、ほかに由布山、市房山、桜島山が念頭にあった。いずれも個性のあるみごとな山である」と述べている。由布岳ではなく由布山とある。深田さんの時代はそうだったんだと、勝手に納得している。

 九州から選ばれた六座は、宮浦岳、開聞岳、霧島山、阿蘇山、祖母山、九重山である。東京から九州は遠いが、日本百名山という大義名分があると登りに出て行くこともできる。阿蘇、祖母、九重と登り、あと一日あれば由布岳にも登れるのだが、大義名分がないとその一日が取れず、気にはかかっているのだが長いこと登れずにいた。由布院温泉も同様、憧れ続けてはいたがチャンスをつくることができないでいた。

 初めて登ったのは1996年11月、いくつかある登山コースのうち、最も一般的な正面登山口から東峰を往復した。三角点のある西峰に立ちたかったのだが、旅行会社の登山ツアーだったので、安全を期して東峰のみになり、お鉢巡りなど望むべくもなかった。登山口から東峰と西峰の鞍部、マタエまでは急登はあるが危険な所はない。マタエから東峰頂きまでは岩場となるので慎重に行動すること。特に下りは歩幅を小さくゆっくり足を運んでいくことに留意したい。

 登山口に戻るとバスが待っていてくれて、我々を由布院温泉に運んでくれる。あちこちの温泉に露天風呂はあるが、目の上にドーンと由布岳が聳える由布院温泉の露天風呂ほど贅沢な温泉は、そうそうあるまい。ドッブーンと湯舟に飛び込み、由布岳を見上げる幸せ・・・。

 由布院温泉、ウィキペディアには「昭和40年代から町ぐるみで毎年夏に映画祭や音楽祭を開催し、歓楽色を排して女性が訪れたくなるような環境整備を続けてきた。バブル期の大型開発計画には適正な規模や景観を守るため抵抗。人気の過熱が続く現在も、温泉のあり方についての模索が続いている」、とある。単純温泉で湧出量は全国3位とか。

 一度登るとはずみがつく。はじめての由布岳登山以降、数回登っている。ただいずれもが旅行会社の登山ツアーで、頂きに立つのは東峰のみ、下って露天風呂には入るが、宿泊することはなかった。西峰に立ち、東峰へぐるりとお鉢巡りもしてみたい。人気の高い由布院温泉の宿にも泊まってみたい、となるとプライベートに計画するしかない。

 で、計画した。2010年の春西峰の三角点にタッチ、由布岳のお鉢をぐるりと一周、人気の宿にも泊まって「由布岳と由布院温泉」への想いにピリオドを打った。

                                                          2012.11.15 記




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