岩 崎 元 郎 の


 

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目国内岳と新見温泉
 
 目国内岳は「めくんないたけ」と読む。ニセコ連峰のほぼ中央に聳える1,203mの秀峰だ。ガイドブックの冒頭には、「ニセコ連峰西部の盟主といった存在・・・」と紹介している。ニセコアンヌプリは何回となく登っている。日本三百名山の一座であるし、日本百名山の羊蹄山に隣接しているから、羊蹄山の登山ツアーに際してはたいてい抱き合わせで日程に組み込まれている。ニセコアンヌプリには失礼なモノ言いになるが、オマケの山という感を拭い切れなかった。ぼくにとっては山ではなく、スキー場だったのである。

 しかし、ニセコ連峰には魅力を感じていた。いつの日か、ニセコアンヌプリから雷電山までニセコ連峰を縦走することを夢みていた。ニセコアンヌプリはニセコ連峰縦走の起点の山だったのである。計画が実現した日、ニセコ連峰は雨だった。けっこうな降りで、チセヌプリを越え、新見峠に着く頃にはびしょ濡れといった態であった。新見温泉の車が迎えにきてくれて、建物の前に降ろしてくれた。

 笑顔の素敵な女将さんが、素敵な笑顔で我々を迎えてくれた。ずぶ濡れの雨具を脱がせると、玄関先に吊してくれる。「水が切れたら、乾燥室に入れますからね」、「ザックも空にして、乾燥室に入れましょう。濡れモノは部屋で干して下さい。落ち着いたら、ゆっくり温泉に入って下さいね。きょうは皆さんだけ、貸し切りですから」。この時以来、新見温泉と新見温泉の女将の大ファンになっている。

 翌朝、出発準備のためにロビーに出ると、雨具はキチンと畳まれ、靴は玄関に新聞紙が詰められて並べてあり、乾いたザックも棚にぶら下げられていた。朝食を済ませ、新見峠まで送って頂く。雨、気持ちいい一夜を過ごし、気持ち良く送り出して貰ったので、降る雨も気にならない。

 新見峠からの登りは、灌木や笹で展望はない。前目国内岳が五合目、ここまで登ると景色も良くなる。と、ガイドブックには書いてある。山頂はちょっと岩っぽくて楽しい。下ればパンケ目国内湿原でかなり雪も残っていた。札幌在住のI君にガイドされなかったら、右往左往するところだろう。主尾根上に登り返して、右、岩内岳を見送り、左、雷電山をめざす。無事縦走を果たし、雷電山から下ったときの充実感は、山に登る者のみが知る至福感であろう。五色温泉〜ニセコアンヌプリ、登り1時間50分、下り1時間15分。五色温泉〜チセヌプリ〜新見峠、8時間30分(イワオヌプリ往復含む)。新見峠〜目国内岳〜雷電山〜登山口(朝日温泉)、7時間10分。ぼくのお気に入りコースは、新見温泉に前泊、翌日目国内岳に立ち、岩内岳を越えて岩内温泉に下る日帰り登山。歩程9時間。

 新見温泉は、1908(明治41)年4月21日、新見直太郎によって発見された。地名も温泉名も「新見」である。温泉は含石膏・弱食塩泉と紹介されていた。肌に柔らかい感じの温泉だ。名物の一つに山菜ソバがある。何回か泊まり、何回か立ち寄ったが、その時は昼だったので山菜ソバを注文した。山菜が山盛りで、ソバに行き着くまでに一苦労したくらいの、山菜ソバであった。日帰り入浴と山菜ソバの組み合わせもお勧めである。

                                                        2013.5.15 記




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