岩 崎 元 郎 の


 

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羅臼岳と岩尾別温泉
 

 北海道には、日本百名山が9座ある。道北に利尻岳、大雪山に旭岳、トムラウシ山、十勝岳、日高山脈主峰の幌尻岳、道央の羊蹄山、道東に羅臼岳、斜里岳、阿寒岳。9座の登り方は様々である。マイカーでやって来て、一夏で9座をかたづけてしまう猛者もいる。

 ぼく的には、一回の登山でいくつもの山に登るというのは好きではない。スパゲッティとギョーザとカレーライスを一度に食べるようなもので、それぞれの味が楽しめないと思うのだ。

 とはいうものの、北海道の山を登るのは時間もかかるし、費用もかかる。そのあたりも勘案してプランニングすると、道東に位置する3座は1回で片づけるというのが合理的ではある。無名山塾の中高年バージョン「遠足倶楽部」最盛期には、羽田から女満別に飛び、羅臼岳、斜里岳、雌阿寒岳・雄阿寒岳を登って、釧路から羽田に戻るという登山ツアーを何回か計画した。

 道東、知床半島の中程に位置する羅臼岳は標高1,660.2m、「日本百名山」の名に恥じない名山である。登山口は斜里町側と羅臼町側とにあり、温泉も斜里町側に岩尾別温泉、羅臼町側に羅臼温泉がある。ぼくの何回かの羅臼岳登山は、アプローチの都合上いずれも岩尾別温泉からの往復登山であった。登山口にある「ホテル地の涯」か「木下小屋」に前泊し、下って後泊するよう計画すれば、登山当日は一日がフルに使えるというものだ。

 ガイドブックには登り5時間、下り3時間20分余と案内されている。岩崎流チョーゆっくり歩きで行程を考えると、休憩も含めた行動時間は12時間。朝5時に出発しても、下山は夕方5時になるという計算だ。毎回明るくなるのと同時に歩き始めている。木下小屋から先が山道になる。

 ガイドマップに560m岩峰と記された所に熊注意の書き込みがある。この地で熊と言えば、ヒグマである。みんな緊張し、急坂だというのに大声を出しながら登っていくので息の切れること。水場は弥三吉水と銀冷水がある。大沢のつめは時期が早いと雪渓が残っていて、そんなときは下り滑落要注意である。

 羅臼平まで上がれば、あとひと登り。岩が積み重なった山頂は、山頂っぽくて好きだ。羅臼岳とは相性が良く毎回天気に恵まれ、山頂からクナシリの島影を望んでいる。下山すると、そこに温泉が待っていてくれるのも、羅臼岳の魅力の一つである。

 岩尾別温泉は古くから知られていたようだが、昭和の初めに木下小屋が開業、羅臼岳の登山者を受け入れるようになった。「ホテル地の涯」の開業は1963年だそうだ。泉質はナトリウム・カルシウム−塩化物・炭酸水素塩泉(純食塩泉という案内もある)、源泉温度は63℃前後なので、加水・源泉掛け流しである。リュウマチ・神経痛などに効果があるとされている。

 羅臼温泉は、寛政元(1789)年に発見された含硫黄・ナトリウム塩化物泉。神経痛・冷え性・筋肉痛などに効能があるとされている。

 羅臼岳は魅力的な山である。それなのに羅臼町側からはまだ一度も登っていない。羅臼側から登って岩尾別温泉に下ってみたいし、硫黄山への縦走もしてみたい。

 

                                                          2012.6.17 記




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