岩 崎 元 郎 の


 

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佐賀・黒髪山と武雄温泉

 黒髪山は標高516m、佐賀県から選んだ『ぼくの新日本百名山』の一山。日本国中山だらけだから、もちろん佐賀県にも山の数は少なくない。しかし、残念ながら全国区として山好きの誰もが知っているという山を挙げることはできない。佐賀県の最高峰は多良山地の経ヶ岳だが、この山を首都圏の山好きの何人が知っているか・・・。

 山口だか広島だか、もしかしたら佐賀県かも知れないが、どこかの県の県知事さんが「なぜうちの県には日本百名山がないのか」と、秘書に尋ねたという。ホントの話しなのかウソの話しなのかは知らないが、面白い話しだと思った。「新日本百名山」には「深田百名山」のむこうを張って、新しい百名山を選ぼうなどという魂胆などさらさらない。マーケティングなのである。まだ山と出逢っていない方が、山と出逢うチャンスになったらいいな、というのが新日本百名山を思い付かせた。前述の知事さんの話しが頭にひっかかっていたので、選定の基本として47都道府県から必ず1山選ぶことにした。

 佐賀県には山がないなんて言うと、佐賀の山好きにお叱りを受けそうだ。大きな山、高い山がないという意味でとご理解頂きたい。前述の経ヶ岳で1,076mだ。深田久弥さんは百名山の選定基準として、山の品格、歴史、個性の三つを挙げ、付加的条件としておよそ1,500m以上という高さで線を引いていらっしゃる。この付加的条件に引っかかって佐賀県からは日本百名山が選ばれていないのだが、魅力的な山は数多い。そんな山の中から、品格、歴史、個性を勘案して新日本百名山の1山として黒髪山を選ぶことにした。

 南麓に有田町、北西麓に伊万里市という歴史・由緒ある陶器の里を侍らせるたたずまいは品格あり、「山中には奇岩・怪石が多く、貴重な植物や珍しい植物を有して個性的、高さが1,500mを越えていたら日本百名山に選ばれていたに違いない。

 登山口は東面、武雄市側の黒髪山神社下宮と西面、有田町側の竜門駐車場とがある。どちらの登山口からも周回できるようコースは拓かれている。コースは良く整備され歩き易く、展望にも恵まれていて、初心者を疲れさせず、飽きさせない。気持ちいい汗をかき、下って武雄温泉に移動、湯舟にドッブーンすれば最高の一日になること請け合いだ。

 武雄温泉は、神功皇后が太刀の柄で岩を一突きしたところ、たちどころに湯が湧き出たという伝説を残す1,300年という歴史を有する温泉だ。黒髪山には数回登っているが、下山後は必ずここで汗を流した。我々を乗せたバスが温泉に近づくと、竜宮城の門のような武雄温泉楼門が目に入る。弱アルカリ単純泉で、疲労回復・神経痛・関節痛・五十肩・うちみ・くじきに効能があるという。

 JR佐世保線武雄温泉駅から徒歩10分、江戸時代には長崎街道の宿場町として栄え、宮本武蔵やシーボルト、吉田松陰らも入湯したとガイドブックに紹介されていた。たいていは入湯料400円の元湯で汗を流すのだが、一回だけ1時間貸し切り料3,800円の殿様湯に入った。総大理石の素敵なお風呂で、ホント殿様気分が味わえる。

                                                         2013.10.15 記





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