岩 崎 元 郎 の


 
   
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三原山と大島温泉
 
 
伊豆七島は手前から、大島、利島、新島、神津島、三宅島、御蔵島、八丈島と並んでいる。若い頃は手間暇かかる島の山は敬遠していたのだが、若くなくなると、かかる手間暇も旅の楽しみのうちと考えられるようになった。とは言ってもひんぱんに足を運んでいたわけでもない。関東百名山に取り上げられている、天上山を擁する神津島には数回行ったが、大島1回、八丈島1回、残る四島はノータッチだ。噴火活動が予想できない三宅島は敬遠するにしても、利島・宮塚山、新島・宮塚山、御蔵島・御山は近いうちに登ってみようかと、マナ板に乗せている。

 大島は東京の南方120㎞の洋上に浮かぶ、海底火山によって形成された島。めざす三原山は島の真ん中あたりに聳える活火山。東京から近いだけに船の便数も多く、調布から飛行機も飛んでいて計画し易い島だ。三原山の登山コースは東西南北から数コースあり、コースを選べば、東京から日帰り登山も可能である。

 高校時代、クラスメイトに大島出身のH君がいた。ぼくの学校は進学校だったから、地方の子弟が都心に下宿して通学するという生徒が何人かいた。Hもその一人だった。加齢と共に世界は小さくなる。今でこそ大島は、手を伸ばせば届くくらいの近さに感じるが、高校生のころは椿とリスの島という理解だけしかない遠い世界だった。リス=可愛い、というイメージを抱いていたら、椿の実を食べる害獣と聞かされた。Hがクラスメイトになって、大島がぐっと近づいた。一度訪れてみたいと思いながら、「中高年と女性のための山の遠足」で取り上げるまで、行くことができなかった。三原山が尖った山ではなかったからだろう。

 三原山をたっぷり味わいたい方には、東側にある都立大島公園からスタートするテキサスコースがお勧め。登りっぱなしの単調なコースだが、三原山の大きさを実感できる。山頂に立ったら西へ向かえば、元町港に下る。登り4時間、下り3時間30分のコースだ。大島を横断したようなものだ。岡田小学校前から山頂をめざすコースは、南にむかう。椿模範林を通り、大島温泉ホテルをやりすごしてテキサスコースに合流、ここから剣ヶ峰を往復後、櫛形山を経て差木地の町に下れば、大島縦断になる。

 ぼくはズルをした。タクシーで三原山頂口まで上がってしまえば、三原神社まではひと頑張りだ。お鉢をぐるっと回って剣ヶ峰に立ち、今宵の宿、大島温泉ホテルへと下る。体力がなくても歩ける、気軽なハイキング。チェックインを済ますと、三原山を一望できる露天風呂に手足を伸ばした。先刻、足下にしたばかりの山頂を望みながら、ゆったり浸かる湯舟は、極楽そのものだ。

 源泉名は三原山温泉。1986年、三原山噴火収束後、島の水源井戸の温度が上昇、温泉の源泉として認定されたという、ちょっと珍しい温泉。無色透明の単純泉、神経痛、筋肉痛、うちみ、くじき、冷え性、疲労回復、肝臓病などに効能あり。
 大島では、1月31日から3月21日には椿まつりが開催されるとか。アルパインツアーに企画実施をお願いしている「お祭りと山」、再来年は「つばき祭りと三原山」にしようかな、なんてことを考えている。


                                                         2015.12.15 記

 




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