岩 崎 元 郎 の


 
   
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坂戸山と六日町温泉

 坂戸山は上越線六日町駅の西側、魚野川をはさんだ対岸に位置する小さな山。標高634m、東京スカイツリーと同じ高さである。山頂には坂戸城があった。

 六日町駅を背にして西にむかい、魚野川を渡った先に登山口がある。右手の薬師尾根を登り、スキー場の方へ反時計回りに歩くのがお勧め。逆コースもありだが、脚筋力に自信ない方には薬師尾根の下りがしんどくなる。どんな急登でも、腹をくくってゆっくり足を上げていけば、いつか山頂は足の下に来るものだが、急な下り坂は腹をくくっても、ちょっとした油断で滑落転倒を招く。

 インターネットでみると、注目度の高い山であることがすぐに分かる。駅から登山口まで徒歩20分と近いし、ほどほどの登りで山頂に立てる。眺望はいいし、山城は直江兼続が城主であったなんていう歴史もあって、ウィークデーでも登山者は少なくない。

 坂戸山を知ったのは、ずいぶん以前のこと。新ハイキング誌上にガイド記事を見つけたのがきっかけだった。現在ほど有名ではなく、筆者にとってはまた一つ、新しい山との出会いになった。当該記事は、カタクリの花を魅力の第一に押してあった。現役バリバリの時代は、岩登り、沢登り、雪山登山に夢中で、高山植物など目に入らなかった。サンシャインシティ文化センターで「中高年のための登山入門講座」の講師を引き受けることとなり、中高年の女性と山行する機会が増えてから、山の花から逃げられなくなった。

 シナノキンバイ、チングルマ、ハクサンイチゲ、シラネアオイ、ニッコウキスゲ、カタクリ、インプットされる花の数は自ずから増えていったが、可憐なカタクリは筆者のお気に入りになった。カタクリの花を期待して4月下旬のある日、坂戸山にむかった。薬師尾根を登る。カタクリはほどほどには咲いていたが、大群落ではない。山頂に立てば、金城山、谷川岳、苗場山、巻機山、八海山、中ノ岳・・・、山また山のオンパレードに感激。

 下山は城坂コース、ひと下りして桃ノ木平に出るとカタクリの大群落。歓声が上がる。下山しての打ち上げが盛り上がったことはいうまでもない。当時、朝日新聞の都内版に週一でハイキングガイドを連載していたので、早速坂戸山を紹介した。記事が掲載される日は、カラーで印刷される日だったので、桃ノ木平のカタクリの花をカット写真で使った。カタクリの大群落はピンクの絨毯のように紙面に映えて、魅力満載のガイド記事になったと思う。その日、六日町観光協会は、問い合わせの電話が鳴りっぱなしだったと後日お聞きした。坂戸山は筆者のお気に入りの山となった。

 若い頃ならいざ知らず、若くなくなった現在、山から下ったら温泉に入ってゆったり汗を流すというのはお約束。坂戸山は下れば六日町温泉が待っている。昭和32年、天然ガス試掘中に湧出したという温泉だ。泉質は塩化物泉で、神経痛、リウマチ、筋肉痛、高血圧、糖尿病、肩こり、冷え性、疲労回復などに効能がある。駅周辺に十数軒の宿があり、日帰り入浴OKの宿もある。お勧めは駅から徒歩3分の日帰り入浴施設、銭湯「湯らりあ」。

                                                     201.3.15 記



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